取引競争法の改正:事業結合届出、ついに開始?

内閣は1999 年取引競争法(Trade Competition Act)の改正案を承認した。

以下は改正の要点である。

1. 「事業者 (Business Operator)」の定義に、同一グループ内の会社及びパートナーシップを含める。

2. 国営企業を同法の対象とする。ただし、国家安全保障、公共の利益、国民全体の利益、又は社会基盤整備に関する国営企業を除く。

3. 独立法人として規制機関を新たに設ける。同機関は政府機関又は国営企業として扱われない。当機関の初年度予算は政府支出によるが、その後は登録手数料の10%を徴収し、その手数料で運営する。

4. 新規制機関は、「支配的地位」の基準を制定する権限を付与される。

5. 「支配的地位」の定義は、5 年ごとに見直す。

6. 国外適用条項を追加。現行法には、タイ国内で行われた違反行為によりタイ国内で影響が生じた場合の規定が明記されていない。

7. 競争の大幅な低減につながる事業結合を行おうとする事業者は、新規制機関に届け出なければならない。結合の検討に関しては、結合前及び結合後3 年間の財務報告書を提出しなければならない。

8. 罰則は厳格化され、六百万バーツから、収入(利益ではない)の20%に引き上げられる。なお、事業結合に関する条項を違反した場合の懲役刑は除外される。

新規制機関は、政治的影響を受けることなく独立に、かつ現行法より迅速に対応するために設置されるものと見られる。また、効率的に同法を執行するために、人員が増やされる予定である。

また、同法は、国外適用条項の新設などにより、規制の抜け穴を塞ぎ、不明確な部分を明確にすることを狙っている。

罰則は、刑事制裁よりも、より効果的に執行できる経済手段によるものと見られる。

最も大きな変更は、事業結合に関する改正である。現行法には、独占又は不当競争を起こしうる事業結合を禁止する条項があるものの、細則がないため、執行されていない。つまり、現時点では事業合併の承認を受ける必要はない。同改正法案が施行されれば、事業結合届出要件が適用されるため、タイで事業結合を行う事業者にとっては、規制をクリアするための負担が増加する可能性がある。

同改正案は、既に法制審議会で確認作業を実施しており、次は国家立法議会へ提出される。

国家立法議会が改正法案を承認すれば、国王の裁可を経て、官報にて公布された後に施行される。

今後の動向を見守り、進展があればご報告させていただく。