労働許可証を必要としない外国人の活動

201536日に雇用局(Department of Employment)が、2008年外国人労働法上の「業務」とみなされない活動に関する告示を出した。以来、当事務所では、除外活動の意味合いについて多数のお問い合わせをいただいた。雇用局告示は、同法に基づく雇用局の「業務」の解釈を示している。これは、タイ政府の最近の投資振興政策及びタイで取引・投資に関する活動を行っている外国人に対する法制委員会の見解に対応するものである。

一般的に、外国人がタイで何らかの業務を行う場合、同法で「業務」と定義されている活動を実施する前に、あらかじめ有効な労働許可証を取得する必要がある。「業務」の定義は広く、金銭又はその他報酬の有無を問わず、体力又は知識を利用するあらゆる業務が含まれる。特に、短期滞在の場合、労働許可証が必要であることを知らずに、「業務」と解釈される活動を行ってしまうなどの問題が生じている。

タイでの取引・投資に関する活動を行う外国人投資家の障害を除去する取組みとして、法制委員会は、2013年に、同法上の「業務」とみなされる活動についての見解を出した。同委員会による「業務」の解釈は、同法の本来の目的であるタイ国民の職業の確保、国家の安全、タイ人の雇用機会、及び国家発展に必要な外国人労働力の需要を考慮している。

最も重要なのは、法制委員会の見解によると、取引・投資に関する活動(例えば、会議、セミナー、展示会、技術研修)を同法上の「業務」とみなすかは、現地の労働市場への影響するかどうかにもよる、ということである。すなわち、外国人が行う活動が、体力又は知識を活用した結果として「業務」が発生するのであれば、また現地の労働市場に悪影響を与える(タイ国民の雇用機会が減少する)のであれば、そのような活動は業務としてみなされ、活動を実施する前に労働許可証を取得することが必要となる。

同委員会の見解に基づき、雇用局は、20153月に、以下の活動は同法上の「業務」に該当しないとの告示を出した。

1.     会議、討議又はセミナーへの参加

2.     展示会又は貿易見本市への参加

3.     事業視察又は商談

4.     特別講演及び学術講演への参加

5.     技術研修・セミナーへの参加

6.     貿易見本市での商品の購入

7.     自己の会社の取締役会への参加

タイに一時的に入国する外国人は、上記の活動を行うために労働許可証は不要である。ただし、上記の活動が「業務」とみなされるかどうか、労働許可証が必要かどうか、事案ごとに検証する必要がある。画一的に、外国人は上述の全ての会議、セミナー、又は展示会などに参加できると解釈することはできない。これらの活動において、同法で「業務」とみなされ、結果的に労働許可証が必要となりうるその他の要素についても考慮する必要がある。

もっとも、同告示は雇用局による告示であり、法律ではないため、指針として捉えるにとどめるべきである。