汚職防止法新改正で、タイ政府・外国政府公務員に焦点

201579日、1999年汚職防止法の第三改正法が官報に掲載された。同法は710日から施行されている。今回の改正は、タイが批准している2003年国際連合汚職防止条約(UNCAC)に基づく、汚職防止・抑制の国際基準に合わせるために行われた。

改正法は、タイ政府及び外国政府の公務員、及び国際機関職員(以下、「公務員」)への収賄、及びこれら公務員への贈賄に対する罪を定めている。「外国政府の公務員」は、立法府、行政府又は司法府で職位を有する者、及び外国政府の何らかの機能を担う者と定義されている。また、「国際機関職員」は、国際機関の機能を担う者、又は国際機関からの代理人と定義している。

同改正法による重大な罪及びその罰則は以下のとおりである。

·         公務員は、何らかの職務の実施又は不実施の見返りに、その合法性を問わず、自己又は他人のために財物又はその他利益を要求、受取、又は受取に同意した場合、終身刑以下又は死刑に処される。

 

·         何人も、利益又は損害が発生するかを問わず、不正もしくは不法に、又は個人的影響力を行使し、公務員に何らかの職務の実施又は不実施を説得するため、財物又はその他利益を要求、受取、又は受取に同意した場合、最大5年間の懲役に処される。

 

·         何人も、公務員に対し、不正な行為、遅延、又は不実施を説得するため、財物又はその他利益を贈与、提供、又は贈与に合意した場合、最大5年間の懲役に処される。

 

·         違反者が法人に関係する場合(例えば、法人の従業員もしくは代理人)、又は法人のために、もしくは法人を代理して実施された場合、かつ法人内部に当該犯罪を防止するための適切な内部統制が敷かれておらず、その法人の利益のために犯罪が行われたのであれば、当該法人に対し、受取った財物の金額の1倍から2倍以下の罰金が科せられる。

同法は、国家汚職防止委員会(National Anti-Corruption Commission)に、タイ政府及び外国政府の公務員、国際機関職員、又は民間企業の全ての者を対象として、同法に関する犯罪の調査及び訴訟提起権限を与えている。さらに、汚職防止に関する国際法に沿って、国際機関との国際調査を円滑化する。また、裁判所は、汚職訴訟において、犯罪で受取った財物の実質価値に基づき、財物没収の基準に従い、財物を没収することができる。最後に、訴追中及び最終有罪判決後に逃亡した場合、逃亡期間中は時効が停止する。

詳しくはベーカー&マッケンジーまでお問い合わせください。