NCPOが知的財産及び情報保護法案を承認

タイ国家平和秩序評議会(NCPO)が進める法制改革の一環として、7月、8月中旬の第7回、第9NCPO会議で著作権法改正法案、情報保護法案、及び営業秘密法案が承認された。主な承認内容は次のとおりである。

1. 著作権法改正

  映画館での録画

著作権法改正では、無許可での音声記録や映画館での録画を禁じている。

  障害者の利益確保を目的とした著作物複製

同改正では、視覚障害者、聴覚障害者、認知機能障害者等の利益を計るための著作物の複製又は改作を認めている。ただし、複製又は改作は利益を得る目的で行ってはならない。

  権利管理情報および技術的保護

同改正で新たに、「権利管理情報」及び「技術的保護対策」の定義とその保護が追加された。追加条項は、特にコンピュータ・コードの電子著作権に関係し、「技術的保護対策回避」を禁止している。また、著作権者を救済するための裁判所への申立手続きが導入され、インターネット・サービス・プロバイダーに違法コンテンツの削除やこれらのホスティングの停止を命じることができる。

  著作権侵害の例外

同改正では、これまで著作権侵害とされてきた以下の行為が侵害行為から外された。

a)    著作物の原作または複製品の配布

b)    コンピュータ・システム上必要な複製

c)    コンピュータ・システムの制御に直接関与せず侵害行為を行っていないこと、また他者に侵害行為をさせていないことを証明できるサービス・プロバイダー

  著作権使用料

同改正では、著作権使用料の徴収方法、徴収責任者、および必要なライセンスについて明確に定めている。また、許可なく著作権使用料を徴収した場合の罰則規定も設けられた。

2. 情報保護法

情報保護法において特に重要なのが、個人情報の保管、使用、開示又は転送を行う際の情報所有者への通知および同意が必要となることである。「個人情報」は、生存している又は死去した個人に具体的に関連する情報、例えば学歴、経済情報、健康記録、犯罪歴などと定められている。さらに、名義、指紋、個人番号、音声記録、写真など個人の特定につながる情報を含め、オンライン活動のログや履歴にも及んでいる。

また、個人情報の使用について同意を得るための手続き、並びに個人情報の保管、処理、編集に関するルールとセキュリティ対策についても定めている。違反者には、民法、刑法、又は行政法に規定された罰則が適用される。

3. 営業秘密法改正

営業秘密法では、営業秘密委員会に関する三つ改正が加えられた。具体的には、営業秘密委員会の会議定足数の変更、委員に要求される最低限の資格の緩和、委員会在任最長期間の変更(41期から2期に拡大)である。ちなみに、現行法下では営業秘密委員会は設置されていないため、この変更が直ちに影響することはない。

また、同改正では、営業秘密法違反の罰則が同様の事件における国際基準に合わせて緩和された。

概要

上院と下院に相当する新立法機関の国民立法議会(NLA)は、現在法案の審議を行っている。NLAによる法案承認後、国王の最終承認を経て、官報に公布され施行される。今回の政治体制は、タイで前例のない新しい仕組みであり、今後の法改正動向が注目される。

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